雷電III


・駒澤 敏亘(モス代表取締役。初代雷電より開発に関わる)



(要約)

 『雷電』シリーズはまだまだ根強く、ファンの方が大勢居ることもあり、企画自体は2年ほど前からありました。
ただ『雷電』は作るのに非常に時間がかかるゲームなんですよ(笑)。初代『雷電』は、それこそ作り始めて
2年3年と煮詰めてやっていたほどです。このたびタイトーさんのTAITO TYPE-Xを提供して頂いて、シュー
ティングゲームを作るなら今かなと。そして今作るなら、『雷電』の正当な続編として『III』を作ろう、ということに
なりました。

 市場を見ると、いわゆる「弾幕系」など、今風のシューティングゲームを意識してしまいますが、あえて初代
『雷電』の形を取り入れて、新たな形態を作っていくことを心掛けています。しかし初代の『雷電』は15年前の
ゲームです。当然、当時とはユーサーの嗜好も、ゲームセンターの環境も違う。そこで弾幕系がメジャーな
中で、あえて弾幕系ではないゲームでいくということと、「ユーザーに強いるべきではない部分」とを、きちんと
分けてから融合するというのが基本方針でした。

 ユーザーに強いるべきでないというのは例えば、ショットのパワーアップの段階の多さなどは雷電に見られる
ゲーム性ではあるけれど、近年では受け入れられにくい要素です。大事なのは「分かりやすい」かどうかという
ことだと思っています。初代『雷電』が広く受け入れられた理由は色々あると思いますが、とっつきやすかった
から、というのが一番大きかったと思います。もちろん15年前の分かりやすさと、今の分かりやすさは違うので、
普段ゲームをあまりしない層までをも巻き込んでいった初代『雷電』の良さを再現するには、「今分かりやすい
形」というものを考えなくてはなりませんでした。

 初代雷電からそうなんですが、システムの1つ1つを理論付けて構築するようにしています。実際の戦場に
おいてはどうなのか?という観点を基準に考えています。今のシューティングゲームの市場を見て、ユーザー
への遊び方を提供する意昧でも「稼ぎ」要素は必須だろうと。だがそれは本来の、戦場に一人で放り出されて
先に進むために邪魔者達を倒していく、という部分に直結しなくてはならないと考え、その結論として今作の
システムを考案しました。

 2人プレイ専用のシステムは、やっぱり『雷電』だからでしょうね。今、シューティングは1人でやるものだという
遊び方が主流になっています。それが今のあり方であるということは否定しませんが、ただ、どうしても他の層の
お客さんを取り込みたい、という「雷電」の方針は貫きたい。そこで、2人でもやって欲しい、2人でも遊べる
ゲームが『雷電』のゲームシステムなんだ、ということを打ち出すために考えました。

 私達もシューティングゲームが好きなのは皆さんと同じです。シューティングゲームが好きな方達に、見せて
恥ずかしくないものを作ろうと努力しています。新規のプレイヤーの方にはこれが分かりやすい形なのか否か、
評価を頂くのを楽しみにしています。『III』を作ってまた10年休憩、ということは無いので(笑)、『III』が成功した
なら、その反響を吸収して今後に繋げていきたいです。弾幕系のシューティングがメインの市場に居る皆さん
に、『雷電III』をプレイして、何か新しい部分を発見して欲しいと思います。

                                                       (2005)