Romancing SaGa Minstrel Song


・河津 秋敏(プロデューサー)

・茂木 雄介(デザイナー。モンスターデザイン、モデリング担当)

・高井 浩(バトルディレクター)



(要約)

河津: スーパーファミコン版から14年くらい経ってるかな?

高井: 13年です。

河津: チェックが早い(笑) あえて、という気持ちは特にないんです。まぁ以前から「いつかはやらないと」
    とは思っていたのですが。というのも、旧作からあまり長く時間が経つと、ハードの機能が全然変わって
    しまいます。そうなると、もう完全に別の作品を作った方がいいですからね。それもあって、このタイミング
    になりました。

高井: 今回はゲームバランスの幅が広くなっています。プレイによって難易度が変化するんです。
    プレイヤーが狙えばすごく難しくもできるのですが、それはクリアに必須ではないんです。
    強さというか、たとえば強い敵はいるのですが、エンディングだけを目指したら出てこないんじゃ
    ないかな。そういうモンスターデザインは茂木がやっているんですが。もしかすると、見てもらえない
    かもしれない(笑)

茂木: そう、見てもらえない。僕の作った敵とは出会ってもらえないかも(笑)

高井: かもしれないです(笑) クリアしてなくても出現する敵もいますし、クリア後もう1回やるとまた
    ゴニョゴニョ…みたいな敵もいますからね。セーブデータを継続してプレイすると、どんどんどんどん
    楽しくなっていきますよ。せっかく主人公が8人もいますから、1人だけ遊んで終わりというものではなく、
    何回遊んでも楽しめるようになっています。

河津: 主人公が8人いるだけでもかなりのボリュームですから。まずは1回目のクリアでゲーム全体を把握
    しつつ、楽しんでもらえればと思っています。

高井: 僕の体感では、4人目の主人公でプレイしているころ、面白さのピークがきました(笑)
    バトルシステムの"フォーメーション"というのは、そんなに難しいものではありません。
    前衛にいれば敵から受けるダメージは大きいけど、こちらが与えるダメージも大きい。
    反対に後衛にいれば、敵から受けるダメージは少ないけど、こちらから与える攻撃力が落ちてしまう。
    その代わり、飛び道具や術の攻撃力は後衛でも落ちない、という感じです。あとは武器ごとの効果
    ですね。槍は中衛からでも攻撃力が落ちません。また、弓矢は後衛の方が攻撃力が高いんです。

茂木: モンスターは約10種族に分かれています。で、1種族につき10体はいますので、それだけでも
    100以上になりますね。さらにボスキャラも加えたら、だいたい120体近くになります。

高井: 敵の攻撃パターンは意図的に頭を悪くしてるところもありますね。頭がいいと勝てないんです(笑)
    たとえばピンチになったとき、回復魔法を使うとします。敵の頭を良くし過ぎると、ここでこちらの回復役
    のキャラが総攻撃されるんです。結果的に何もさせてもらえない(笑)

河津: 敵をあまり賢くしてしまうと、本当に勝てないんです。ある程度は思考に偏りがないと。

茂木: 実はモンスター制作チームからお願いしたんです。「この敵は、嫌なキャラにしてください」と。
    そうしたら本当に嫌なヤツになって。すごい思い入れがあったキャラなのに、ドンドン嫌いになっていくん
    ですよ(笑) モンスターはかなり個性豊かですよ。いつも他の敵と一緒に出てくる、お供みたいヤツが
    いたり。

高井: 戦っていて覚えやすいですよね。「あ、またコイツか」って。

茂木: 初めて会って、「コイツ強そうだな」と思ったやつは、本当に強いです。注意してください(笑)
    仲間になるキャラクターはサブ的なキャラクターも入れると、40人以上になりますよ。

河津: いやまぁ、正直バランスは取ってないというか。それは冗談ですが(笑)

高井: でも、弱いやつは弱い。

河津: それを愛着を持って育てて頂いて、ラストまで連れて行くというのも醍醐味かなと。

高井: そういうキャラの育成は、もうスパルタで押してください。

河津: スパルタで育ちます(笑)

高井: 「腕力がないとか言ってるんじゃない!」と、両手斧を持たせてブンブン振り回してれば、
    いつか立派な戦士になれますよ(笑)

茂木: なかなか会えない敵もいると思いますが、頑張って全部に会ってもらえると嬉しいです。

高井: 色んな遊び方をしてください、という感じですね。正解はありませんので、好きなようにプレイして
    いただきたいです。

河津: 自分のやりたいように遊んでください。どのキャラクターを選んでもいいです。
    気に入ったキャラクターを集めて、自分の好きなように育ててもらいたいです。
    先ほども言いましたが、スパルタで育てれば思った通りのキャラにできますので(笑)
    そうやって育て上げたキャラクターを使って、思い通りに遊んでください。

                                                (2005)


・河津 秋敏((株)スクウェアエニックス・取締役開発担当執行役員。SaGaシリーズシナリオ&ディレクター)



(要約)

 作り直したいなとは、ずっと考えていたんです。プレイステーション2なら色々新しく作れる部分もあるし、
そろそろやってみようかなと。『アンリミテッド』は全部ゼロから作ったのですが、次はそうじゃないものをやろう
と思ってました。

 システム的にはもう全然違いますね。3Dになるので、マップもバトルも完全に新しくなります。
そのぶん世界観や登場人物は、基本的にオリジナルを踏襲してます。イベントシーンになるとムービー、
という構成にはなってません。どうしても流れか悪くなりますから。

 ミニゲームはありません。RPGって、ゲーム全体が色んなミニゲームっぽい要素の集合体みたいなところが
あるじゃないですか。そこにまた全然違うミニゲームを入れる必要は、特には無いだろうなと思いますし。

 リアルな頭身にすると、どうしてもリアルな映像表現に引っ張られてしまいます。実写的表現をしたければ、
生の役者さんを使えばいいこと。ゲームらしい表現を打ち出していくため、敢えてリアルではない頭身に
しています。

 オリジナル版は実はヒラメキもしませんし、連携もないんです。ヒラメキは『2』で、連携は『サガフロンティア』
から。でも今回は今までの『サガ』の集大成という意味で、のちに生まれたそうしたシリーズの特徴的な
システムは全部入れてます。レベルアップは従来通り、キャラではなく武器にレベルがあり、レベルが
上がれば、より強い技の閃きが生まれたりとか、そういう形です。

 戦闘はオリジナル同様に接触エンカウントバトルです。巨大なモンスターを画面に出すの、ちょっと大変
なんですけどね(笑)。オリジナルにあった「巣」にいる恐竜の集団も、どこまでポリゴンで再現できるかは
何とも言えません。

 オリジナルの発売から12年経ってますから、当時遊んだ人達はひと回り年齢が上がってるわけです。
まあ、その人達はもちろん、新しいユーサーにも是非楽しんでもらいたいですね。

 継続的にファミコンからプレイステーション2までずっとハードを追ってきて作ってると、「スーパーファミコン
で作った物をどうするの?」って、どちらかというと技術的にどうするかが先に立ちます。懐かしいなんて
言ってる場合じゃないんですね。まあ実際、オリジナルを遊んで、今は作り手側に回っている人もいますが、
そういう人に、「どう?」って聞いたことはないもんで(笑) 多分不思議な感じがしてるんじゃないかな、とは
思うんですけど。

 リメイクするにあたり、ゲームらしいゲームにしたいということですね。「ゲームの面白さって、こうでしょう!」
という部分を意識して作ってます。今までゲームをやったことがない人でも入って来やすい『サガ』を作らなきゃ
と考えてるんですけど、そこを意識しつつヘビーユーザーも満足させなきゃいけないという(笑)。
 非常に難しいんですが、なんとかチャレンジしていこうと思います。『サガ』のファンならこれくらいわかる
ハズだろうと、甘えてしまうところもありますが、それは忘れて、プレイステーション2を昨日買ってきて、
「コントローラーって何?」という人も遊べるようにするにはどうしたらいいのかを考え直したいですね。

 シリーズが成功してるのに文句を言うのはなんですが、『サガ』があるから、他のことをし辛い面もあります。
『2』は『2』なりに、『3』は『3』なりに、『1』とはまた違うシステムなので、作り変えるとしたらどうなる?何を
表現したいのか?という部分を1回問い詰めてみないと、じゃあどうするのかが出てきませんから。
まあ今のところは、2&3のリメイクに関しては何も考えていません。

 リメイクじゃなく、新しいゲームが出てくるんだという感覚で、楽しみに待っていて欲しいです。
RPGの、ゲームっぽい部分にこだわって作ってますので、そこを期待して欲しいと思いますね。

                                               (2005)